相続・手続きの現場から、落ち着いて進めるためのヒント

相続のご相談を受ける中で、よくあるお声のひとつが
**「母の通帳が見つからないんです」**というご相談です。

親御さんがご高齢になられたり、亡くなられたあと、
通帳がどこにあるのかわからない、銀行名さえ不明、
という状況は、決して珍しくありません。

今回は、そんなときに落ち着いて進めるための「考え方」と「具体的な対処法」をお伝えします。

1. 無理に探さない。まずは心の整理を。

大切な方が亡くなられた直後や、認知症の進行で情報が掴めない状況では、
何よりもご家族の心が落ち着いていることが大切です。

焦って探すよりも、
・いつも通っていた病院の近くにATMはなかったか?
・日常的に使っていたスーパーで使える銀行カードはなかったか?
・ご本人が話していた“地元の銀行”とはどこか?
など、“生活の動線”からヒントが見えてくることがあります。

2. 手がかりは、家の中にあります

通帳が見つからない場合でも、次のような手がかりから銀行口座を推測できることがあります。
• キャッシュカードの残り(破棄されたケースも含め)
• 公共料金や年金の振込明細書(はがき)
• 家計簿やメモ帳、付箋などの書き込み
• 保険や証券会社の資料に記載された振込先銀行

玉野行政書士事務所では、こうした「生活の記録」を丁寧に読み解き、
ご家族に代わって通帳の在りかや銀行口座の情報を調べるお手伝いもしています。
3. 銀行ごとに「残高証明書」を請求することも可能です

もし、銀行名が判明している場合は、
相続人の立場で、亡くなられた方の「残高証明書」の発行を依頼することができます。

このときに必要になるのは、
• 戸籍謄本
• 相続関係説明図
• 印鑑証明書
など、法的な手続きに基づいた書類一式です。

書類が揃えば、通帳やカードが見つからなくても、
銀行が口座の有無を調べてくれるケースもあります。

4. 見つからないことが「悪いこと」ではありません

通帳が見つからないと、
「親に申し訳ない気がする」「見つけられない自分が悪い」
そんなふうに思われる方も多くいらっしゃいます。
けれど、通帳が見つからなくても、
法的な手続きや、行政との連携で、ほとんどのケースは整理が可能です。
必要なのは「誠実な姿勢」と「正しい順序」です。

5. 行政書士は、整理のプロです

通帳探しの過程で、気持ちが疲れてしまったら、どうかご相談ください。
私たち行政書士は、
「見つける」ことだけでなく、「整理する」ことの専門家です。
書類、相続関係、手続きの段取り。
誰かが「まとめて」くれると、心はぐっと軽くなります。

【最後に】それでも見つからなかった場合は?

「最終的に、口座がなかった」ということも、もちろんあります。
その場合でも、残高証明の結果を記録として残しておくことが大切です。

将来的に、他の相続人とのトラブル防止にもつながりますし、
何より、故人の「人生のしめくくり」に丁寧に向き合った記録になります。

玉野行政書士事務所は、
人と制度のあいだを整える仕事を、ひとつひとつ、心を込めてお手伝いしています。
お気軽にご相談ください。

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